ブランド別に見る「難易度」と「費用」のざっくり軸

メンテナンスの難易度と費用感は、ブランドだけでなくムーブメントの構造・防水性能・部品点数などにも左右されますが、
イメージを掴むうえでは次のような軸で考えると分かりやすくなります。

• ムーブメントがシンプルか、複雑か
• 防水性能が高いか（ダイバーズ等）、そうでもないか
• 部品供給やサービス体制が整っているか
• ブランドとしての位置付け（ハイエンド〜ミドルレンジ）

同じブランド内でも、3針モデルとクロノグラフ、ダイバーズとドレスウォッチでは、難易度も費用も変わってきます。

スポーツウォッチ系ブランドの傾向

ロレックスやオメガ、タグホイヤーなどのスポーツウォッチブランドは、防水や耐衝撃性など実用面が重視される一方で、
クロノグラフやダイバーズ機構などで構造が複雑になりがちな側面もあります。

• 3針モデル（デイト付きなど）：比較的ベーシックな難易度・費用帯
• クロノグラフ：ムーブメントが複雑なぶん、費用も高めのレンジに
• 高防水モデル：パッキン交換・防水テストなども含めたメンテナンスが必要

ドレスウォッチ・薄型ムーブメントの注意点

ドレスウォッチや薄型ムーブメントを採用したモデルは、スポーツウォッチに比べて防水性能よりも薄さ・デザインを優先していることが多く、
組み立ても繊細な作業が求められます。

• 超薄型ムーブメントは、組み立て・調整に高度な技術が必要
• ケースやラグが華奢なモデルは、外装の取り扱いにも注意が必要
• ポリッシュの有無や範囲も、仕上がりの印象に大きく影響

クロノグラフや複雑機構モデルの難易度

クロノグラフやGMT、パワーリザーブ表示、年次カレンダーなどの複雑機構は、ムーブメントの構成部品が増えるぶん、メンテナンスの難易度も上がりやすいです。

• クロノグラフ：操作頻度が多く、摩耗しやすいパーツも存在
• GMT・デュアルタイム：針やカレンダーとの連動機構の調整が必要
• カレンダー機構：禁止時間帯の操作によるトラブルが起こりがち

こうしたモデルは、オーバーホールの費用レンジもベーシックモデルより一段上がるイメージを持っておくと安心です。

ビンテージ・アンティークのメンテナンス事情

ビンテージやアンティークに近い年代の時計は、部品供給やケースコンディション、過去の修理履歴などが大きく影響します。

• 純正部品が入手困難で、代替パーツや加工が必要なケースも
• ケースや文字盤のコンディションとのバランスを考えたメンテナンスが重要
• 「どこまで手を入れるか」を所有者の方針とすり合わせる必要がある

同じブランド・同じモデル名でも、個体差が非常に大きくなるため、一度実物を拝見したうえで見積もり・方針を決めるのが基本になります。

自分のブランド・モデルに合わせた費用感を相談

この記事でご紹介した内容は、あくまで「ブランド・モデルによる難易度と費用感の目安」です。
実際のメンテナンス費用は、個体の状態やご希望の内容によって変わります。

お持ちの時計のブランド・モデル名・大まかな購入時期・気になっている症状などをお知らせいただければ、
オーバーホールや修理の費用レンジの目安をお伝えしつつ、適切なメンテナンスプランをご提案いたします。