TROUBLE / CROWN
リューズが抜けた・空回りするときの原因と修理の目安
時刻合わせやゼンマイ巻きに使う「リューズ」は、腕時計の中でも負荷のかかりやすいパーツです。
抜けてしまったり、引き出しても空回りして時刻が合わせられないときは、内部で何が起きているのでしょうか。
どんな症状が出ているかを整理する
一口に「リューズのトラブル」といっても、症状はいくつかのパターンに分かれます。
- リューズが「スポッ」と抜けてしまい、元に戻せない
- リューズは付いているが、引き出しても針が動かない
- 日付だけ動く/時刻だけ動かないなど、一部機能だけ不具合がある
- 引き出し位置が曖昧で、カチッとした感触がなくなった
どのパターンかによって疑うべき箇所が変わるため、修理依頼の際にも症状を具体的に伝えることが大切です。
原因① 巻き芯(ステム)の折れ・緩み
リューズとムーブメントをつなぐ細長い棒状のパーツを巻き芯(ステム)と呼びます。
リューズが抜けた、グラグラする、といった場合は、この巻き芯が折れている・緩んでいる可能性があります。
- 強く引っ張ったり、ぶつけた衝撃で折れることがある
- 経年劣化や錆で細くなっていて、ある日突然折れるケースも
- 一見リューズだけの問題でも、内部の錆・摩耗が進行していることがある
原因② リューズチューブ・パッキンまわりの不具合
防水時計の多くは、リューズ周りにチューブやパッキンが組み込まれており、
ここが劣化するとリューズの感触が変わったり、最悪の場合水入りの原因になります。
- パッキンの劣化で、リューズの締まりが悪くなる
- チューブ部分が緩んだり、損傷しているケースも
- 防水性能維持のためにも、オーバーホール時の点検が重要
原因③ 切替車・カレンダー機構のトラブル
リューズを引き出したとき、内部では「時刻合わせ」「日付合わせ」などを切り替えるための歯車が動いています。
これら切替車やカレンダー機構の不具合で、空回りしたり一部の操作だけ効かなくなることがあります。
- 無理な日付合わせ(禁止時間帯の操作)による損傷
- 油切れ・摩耗で歯車がうまく噛み合わなくなっている
- 落下や衝撃で歯車がずれた・欠けたなどの物理的ダメージ
修理の目安費用と、オーバーホールとの関係
リューズまわりのトラブルは、単発の部品交換+調整で済むケースもあれば、
オーバーホールとセットでの修理が望ましいケースもあります。
- 巻き芯やリューズ単体の交換:比較的軽めの修理
- 内部のカレンダー機構や切替車の損傷:分解修理が必要
- 水入りや錆を伴う場合:オーバーホール+部品交換レベル
リューズが抜けたり空回りするほどの状態になっている場合、
内部のコンディションもそれなりに疲れていることが多いため、
「これを機にオーバーホールも一緒に」という選択が結果的に安心なことも少なくありません。
自分でいじると危ない理由
よくやってしまいがちなNG行動は次のとおりです。
- 抜けたリューズを無理やりねじ込む
- ペンチなどでリューズをつかんで回す
- ケースオープナーを使って裏蓋を開け、自分で直そうとする
これらは一時的に直ったように見えても、内部ダメージを悪化させるリスクがあります。
特に、防水構造がシビアな高級時計では、自己流の分解は致命的な水入りにつながりかねません。
使用歴と症状をまとめて見積もり相談を
リューズトラブルは、原因が一つとは限りません。
「いつからおかしいと感じていたか」「どんな操作をしたあとに症状が出たか」「水場やスポーツで使っていたか」などの情報が診断のヒントになります。
こうした使用状況と現在の症状を合わせてお知らせいただければ、
部品交換で済みそうか・オーバーホールを視野に入れるべきかなど、概ねの方向性をご案内できます。
CONTACT / CROWN TROUBLE
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症状が出たタイミングや、最近の使用状況(水場・スポーツなど)を書いていただければ、
必要になりそうな修理内容や、おおよその費用レンジをお伝えいたします。